小山 明(教授)
壁面プロジェクション
学園祭の季節になってきました。夕方になると学生たちのバンド演奏の音が聞こえてきます。昨年
はデザイン教育センターが実験的に吉武記念ホール壁面に映画を投影してみました。なかなかの
迫力でした。
カーレースのゲーム画面も試しに投影してみましたが、それはもうすばらしいスピード感でした。
研究会
デザイン教育研究センターでは、今年「リアリティ」をテーマとして研究会を進めています。コン
ピュータやインターネット、携帯電話、あらゆるものがデジタル化された現代の私たちの環境のなか
で、リアリティとは何かを議論しています。写真は多木浩二先生。多木先生の現在の関心は「歴史
と記憶」のようです。後期の「芸術工学特別講義」でお話をしていただけるかもしれません。
PROVOKE
なぜかいま私の手元にプロヴォークがあります。下はオリジナルの三冊揃いで、上がドイツの出版社
がそっくりに複製したリプリントのボックスです。このころ高校生でした。学生運動もおわりの時期
でしたが、授業がなかったので、学校の外に出てアートシアターや日活名画座3本立てでアント
ニオーニやゴダールの映画を見ていました。
ネットワークの研究
スピーカー用のネットワークです。大きなコイル2個(ひとつは空芯)とコンデンサー類、そして茶
色の積み重ねられた板抵抗から構成されています。ボリュームを使うと音が悪くなるので、板状
の抵抗を何枚も並べて、これをロータリースイッチで切り替えるようにして、5段階の切り替え式
ボリュームにします。
ホーンスピーカーの研究
1950年代のALTECのフロントロードホーンシステムと呼ばれる、劇場用スピーカーです。横か
らみたところ。上にのっているのは、500Hz以上を担当する高域用のツィーターとホーン。とても
美しい形をしています。ルッソロの騒音楽器のような形です。
今こうしたホーンシステムとバスレフシステム、同軸(コアキシャル)システムの比較研究をしてい
ます。高域と低域を分けるネットワークの定数、コイルや抵抗、コンデンサーなどの部品の質が
鍵です。ネットワークの製作はアンプを作るときのように感電することがないので好きです。
右のネットワークは空芯コイル2個を使用して製作しています。
大阪にある60年代のポルシェを扱っているお店に行ってきました。デザインの研究です。


1973年以前の空冷、ナローポルシェと呼ばれる小さいポルシェが、新品のような完全な状態で暗
い倉庫の中に並んでいました。落書きだらけの壁に囲まれたスペースと10台ほどのポルシェとの
関係は、まるで現代アートのようでした。ベルリンを思い出しました。英語のスペルが間違ってます
が、右のペインティング、とてもいい感じです。
私も燻製に挑戦してみました。
固形チップをつかって燻製をつくってみました。温度管理はチップがしてくれます。折りたたみのブリ
キの箱なので、あまりたくさんは作ることはできませんが、おいしいです。燻製という技術は、保存技
術のひとつですが、とても文化の奥行きを感じさせる技術です。簡単だし、少し勉強してみます。塩
抜きや乾燥のさせ方が、かなり仕上がりを左右します。
IAMASが主催する「大垣ビエンナーレ2008」に行ってきました。


駅前にあるIAMASの文字をかたどったオブジェ。作品は徒歩で10分程度で歩くことのできる範囲の
街のいたるところに展示されています。「S」の文字が欲しいです。家具にしたい。
右はインスタレーション作品の入り口。黄色いサインが目印。
都市神話の再構築をテーマとしたシンポジウム。左は本学大学院鈴木明教授。「アーカイブとブラウ
ジング」という方法を手がかりに都市を考えるという提案でした。


左は、氷のレコードの演奏。引っかかる感じ、リピートの感じがなかなかよかったです。右は部屋中に
ペイントしたインスタレーション作品。
入江先生制作の大垣の都市模型。水色に下からライトアップされている部分が江戸時代の大垣城が
あったころの堀や川。これを現代の都市に重ね合わせることで、見えない構造を浮かび上がらせると
いうおもしろい試みです。
入江先生から実物の写真が届きました。
かなり大きく業務用にも使えそうな量を一度に燻煙することができます。
正面下にある開口部から空気の調節をします。上部の丸い穴には温度計を差し込みます。温度の管
理が燻製をつくるときに一番重要なポイントです。右にいるのは愛犬のLALALAです。

上のふたの部分を空けると取り外し可能な木製レールが見えます。ここに塩漬けの三枚肉や、その
他、チキン、チーズ、などなどなんでもつるしておけば燻製になります。

箱を部品に解体した様子。コンパクトに収納できます。
入江先生の2枚の図面。下はワークショップで製作した休暇小屋プロジェクトその1の図面。
上はスモークドベーコンを作るために入江先生が製作した燻煙箱の図面。


7月16日の入江先生のワークショップ。現代のキャップマルタン休暇小屋その1が完成。
スケールは180×180×180 待庵と同じ2畳 後期にはこうしたユニットがいくつか接続された休暇小屋を製作します。 特別講義もお楽しみに。
大学院生たちの作品を講評。
くつろぐ女子学生たち、なかは意外に広い 平面の大きさと立体の大きさの違いを体感することが前期の課題でした。
壁面にはモデュロールの絵がプリントされている
お疲れ様でした 楽しい授業でした
こちらは入江先生のオリジナル模型
7月8日「芸術工学論」の特別講義、ワークショップを指導するIAMASギブソン先生
ギブソン先生はロンドン出身のグラフィックデザイナーです。
デザイン教育研究センターは大学院の基礎科目も運営しています。「芸術工学論」で今年お招きしているIAMAS入江教授のブログのサイトはこちらです。
授業はテレスコウェブのサイトでチェック可能です。
6月15日の授業に関連するサイトは以下のとおり。
クローズドとジルボーのジーンズ
クリスチャン・ボーングレーバー紹介
Hamburgisches Architekturarchiv
ジャン・ヌーベル紹介
ヌーベル自身のHP
金沢21世紀美術館のロン・ミュエック展を見てきました。巨大な新作がいくつかありました。
8月31日までです。
フォトモの模型展も同時に開催されていました。金沢の街が不思議な立体になっています。
新竪町にもいくつか良いギャラリーがありました。
ミュエック展入り口
これは作品ではないようですが、きれいです。
小山が運営するベアリン出版は

ロン・ミュエック、オリバー・ボーバーグに関するテキストは
「ミュージアム(美術館・博物館)における展示システムに関する研究 -美術館の拡張−その1」
「建築のフィギュア」

ベルリンの壁の建設と崩壊、ヒルバースアイマーの垂直都市構想に関するテキストは
「ベルリンの都市空間」


次回(6月15日)のデザイン史授業で紹介するボイスに関する参考図書。図書館でチェックしておいてください。(この話は7月10日に変更)

『Joseph Beuys und das Mittelalter』
『ヨゼフ・ボイスと中世』というタイトルのこの書籍は、現代アートの巨人ヨゼフ・ボイス(独)の創作の秘密を読み解く重要な一冊です。あらゆる芸術作品にはその内部と外部をつなぐ仕組みのひとつとして「見立て」という関係があります。何かが何かのように見える、という関係です。たとえば、ある石ころはなんだか聖像のように見えたり、あるふとした誰かの姿勢が深い悲しみを表しているように見えたり、といった事柄です。ボイスは、このモノと人間との関係、認識に関わる関係を徹底的に追及した作家であると言うことができます。
この書籍では西欧人であるボイスにとっては生まれてから繰り返し見続け、いつの間にかそれが意識下のものになっている中世キリスト教の十字の形や、聖像の外形など、彼の作品のルーツとなるものが数多く並べられています。こうしたボイスの文化的背景を知っておくと、彼の作り出す、機能的に閉塞した不可思議な美しいオブジェ、おかしくもしかしどこかに心の根源にある信ずべき何かを思い起こさせるような作品の意味の仕組みが理解されてきます。
